抱っこしないと泣く!手が離せない時にするべき対処法はこれ!

抱っこしないと泣く!手が離せない時にするべき対処法はこれ!

抱っこの重要性については,先のコラムで述べましたが,そうは言っても抱っこしないと泣き止まない,常に抱っこしていて何もできないというお悩みを抱えているママさんは多いのではないのでしょうか。

 

この記事では抱っこすることで赤ちゃんが泣き止むメカニズムから,すぐに抱っこできない時の対応などを調べてみました。

 

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抱っこすることで泣き止むメカニズム

抱っこすることで泣き止むメカニズム

赤ちゃんを寝かせようとするとき,皆さんは部屋の中を歩きながら抱っこしていたという経験はないでしょうか。

 

私も子供を寝かしつけるとき,抱っこをしながら子守唄を歌って,部屋を行ったり来たりしていたら,いつの間にか寝てくれたという経験が何度となくあります。

 

実は赤ちゃんは歩きながら抱っこされる方がリラックスするということが科学的に解明されているのです。

 

「輸送反応」というしくみ

皆さんはテレビなどで子猫がおとなしく親猫に運ばれているシーンを見たことはないでしょうか。

 

動物は移動の時,生き延びるために外敵に見つからないように注意する必要があります。移動時に子供が泣き叫んだり,暴れたりすると外敵に見つかってしまうので,子どもは本能として親に協力しておとなしくすることを生まれた時から理解しているのです。

 

このように哺乳類の子どもが親に運ばれる際にリラックスすることを「輸送反応」といい,哺乳類にはこの機能が生まれながらに備わっているのです。

 

この「輸送反応」については,メカニズム自体あまり分かっていなかったのですが,2013年に理化学研究所による実験によって徐々に解明されてきたのです。

 

実験の内容としては生後6か月以内の赤ちゃんとお母さん12組に協力してもらい,赤ちゃんを腕に抱いた状態で約30秒ごとに「座る・立って歩く」を繰り返してもらったのです。

 

その結果,お母さんが座っている時に比べて,歩いているときの方が赤ちゃんの泣く量が約10分の1になり、運動量が約5分の1に減っていました。また心拍数が歩き始めて約3秒程度で顕著に低下していたことから、赤ちゃんがリラックスしていることが科学的に証明されたのです。

 

そもそも輸送反応は,親子関係が一方的なものではなく、双方の協力によって成り立つものなので,赤ちゃんが歩きながら抱っこして泣き止んでくれたり,眠ってくれるのは親を思ってのことなんだと考えると,抱っこのつらさも多少は軽減されるのではないでしょうか。

すぐ抱っこできない時は?

すぐ抱っこできない時は?

歩きながら抱っこすると赤ちゃんがリラックスすることが分かったなら,親としてもずっと抱っこしてあげたいと思いますが,現実的には無理ですよね。

 

家にいれば,子育てだけでなく,家事など他にやることが一杯あって,一日中抱っこするのは正直しんどいと思います。私自身も四六時中子供を抱っこしていたので,腱鞘炎になってしまい抱っこをあまりできない時期がありました。

 

じゃあ,抱っこできない時はどうするのがいいのでしょうか。

抱っこできない時の対処法

1.抱っこできなくても気にしない

「え?」という回答かもですが,赤ちゃんは泣くことで全身を使っており,泣くことで運動をしています。成長のためにも泣いてもらう時間があってもいいのです。

 

ただ,ここで黙って泣かせっぱなしにせず,赤ちゃんへ「ちょっと待ってね。」「今ご飯作ったら行くからね」など声がけしてあげてください。

 

オキシトシンについてのコラムでも触れましたがお母さんの声を聞かせることは,しない時よりもリラックスすることが分かっています。抱っこできない時は,赤ちゃんへ声がけをお忘れなく。

 

2.自分一人で抱え込まず,周りにも協力してもらう

最初の有力な協力者はお父さんです。

「ママが抱っこしないと泣いちゃうよ」と言うだけで抱っこしてくれないお父さんもいるかもしれません。

 

ですが,輸送反応はお父さんでも起こりますので,お父さんも歩き抱っこをすれば,とうぜん赤ちゃんはリラックスしてくれます。お父さんにも積極的に協力してもらいましょう。

 

その他にも親に協力をお願いしたりや住んでいる市町村などの保健師に相談するのもいいかもしれません。

 

お母さんとしては赤ちゃんのためにも,自分で全部やってあげたいと思うかもしれませんが,赤ちゃんは色々な人と触れ合うことで愛着関係を築き,成長していくのです。

 

周りに協力してもらうことは,赤ちゃんにとっても良いことと思って,一人で抱え込まないようにしてください。

まとめ

抱っこをすることは赤ちゃんの発達や成長に大きく影響することはわかっていますが,抱っこをする側のお母さんが無理して行うことではないと思います。

 

実際に私も娘が赤ちゃんの時,四六時中抱っこをしていたので手首が腱鞘炎になったり,抱っこをしながら立ち上がったり座ったりを繰り返したことで膝に水がたまったり,しまいには手に力が入らず膝ぐらいの高さから子供を落としてしまったこともありました。

 

子育てしているとついつい肩に力が入りすぎて,無理することがあるとは思いますが,度を過ぎると子供にとっても悪影響です。

 

子育てを楽しむためには,母親がリラックスすることが一番だと思いますので,しんどくなったら必ず一呼吸おく。そして,子育てを一人で抱え込まず,周りの人にも協力してもらいましょう。

 

enjoy!!子育てです。

 

参照:理化学研究所Webサイト https://www.riken.jp/press/2013/20130419_2/より米国の科学雑誌『Current Biology』(5月6日号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(4月18日付け:日本時間4月19日)に掲載