親子でお風呂に入ることの重要性とは?入浴効果や嫌がったときの対処法を解説

親子での入浴は,楽しいだけでなくコミュニケーションが深まる大事な場所ですよね。特にテレビやスマホが普及して家の中でも親子の会話が少なく行動がバラバラになりがちな現代。

さすがに親子で一緒にお風呂に入ったときはお話ししたり,一緒に遊んだりすることも多いのではないでしょうか?

 

そもそも海外の人からは親子で入浴,特にパパと娘,ママと息子など異性の親子入浴は非常識だと考えられています。

 

外務省の海外安全ホームページでは、

『とある先進国に在住の邦人一家。現地校に通っている娘さんが、作文に「お父さんとお風呂にはいるのが楽しみです。」と書いたところ、学校から警察に通報され、父親が性的虐待の疑いで逮捕されてしまった。』

 

と紹介されています。これは逆に私たち日本人からすると信じられないトラブルですよね。

 

わたしの家でも4歳の子どもと毎日一緒にお風呂に入り,湯船につかっています。ときどきお風呂を嫌がることもありますが,子育てをする親にとっては最高に楽しい時間の一つではないでしょうか。

 

そこで、この記事では親子でお風呂に入ることの重要性と,入浴の効果,親子での入浴はいつまでか?などについて調査してみました。

入浴がもたらす「効果」

入浴効果

最近の若い世代の間では「お風呂離れ」が指摘されています。欧米のように湯船につからないで,シャワーだけで済ませてしまう人が増えているのが現状です。

 

一人暮らしでお風呂が狭かったり,浴槽の掃除や湯を張るのが億劫だったり,ユニットバスで湯船が狭かったり,色々な理由があると思います。

 

しかし,シャワーだけでは湯船がもたらす健康効果やリフレッシュ感も得られませんし,親子での入浴も慌ただしくなってしまい,コミュニケーションも深まりません。

 

まずは湯船に入ることによって得られる健康効果についてご紹介したいと思います。

 

効果その1 : 温熱作用

湯船に浸かって体が温まると,体温が上がり皮膚の毛細血管が広がってたくさんの血液が体中を巡り,血流が良くなります。

血液には酸素や栄養分,ホルモンなど私たちの体にとって大事なものを運び,一方で二酸化炭素や老廃物などの不要なものを回収する働きがあります。

 

これがいわゆる「新陳代謝」であり,新陳代謝が高まることで疲労回復やコリ・痛みがやわらぎます。

また,内蔵の働きを助け,自律神経をコントロールする作用もあります。

 

「自律神経」は「交感神経」と「副交感神経」に分けられますが,基本的には人が起きて活動している時間帯は交感神経が,そしてリラックス時は副交感神経が優位になるといわれています。

 

湯船につかってリラックスすることによって副交感神経を優位にすることが,ストレスを和らげるカギとなります。

 

さらに,湯船の熱によってヒートショックプロテイン(HSPs)が発現し,細胞が活性化しますので,免疫力アップも期待できます。

 

効果その2 : 水圧作用

「水圧」とはご存知のとおり水が物体や水自体に及ぼす圧力のことです。静止している水では深さが10メートル増すごとに約1気圧上昇します。ご家庭の浴槽でもせいぜい足腰程度の深さですが,体感としてかなりの水圧を受けます。

 

この圧力はウエストが3~5センチも細くなるほどで,手足にたまっていた末梢の血液やリンパ液が心臓に押し戻されるので,心臓の働きが活発になり血液の循環を促進し,むくみの解消にも効果があります。

 

また,お腹や胸にかかる水圧が胸腔を押して肺の容量を減少させるため,呼吸の回数が増えてるので肺の機能も高まります。

 

効果その3 : 浮力作用

水の中では水圧があるいっぽうで,「浮力」がかかります。プールや海に入ると体が浮くように,湯船でも浮力が働き,首までお湯につかった場合,なんと体重は普段の10分の1にまで減少します。

 

そのため,体重を支えていた関節や筋肉が重みから解放され,全身の緊張がほぐれ,リラックスした状態になります。

 

ちなみに,一時期ブームになった「半身浴」ですが,「半身浴だからこそ」という特別な健康効果はなく,水圧と浮力によって得られる効果も半減してしまいます。

 

基本的には全身浴でしっかりと全身で湯船につかることをお勧めします。

お子さんがお風呂を嫌がったらどうする?

お子さんがお風呂を嫌がったらどうする?

お子さんが小さいとお風呂を嫌がることもときどきあると思います。東京ガスが6歳以下の子供がいる家庭を調査したところ,「髪を洗うのを嫌がる」,「湯船に浸かるのを嫌がる」,「顔を洗うのを嫌がる」という回答が上位でした。

 

わたしの家では子どもが湯船に浸かるのを嫌がることはなかったのですが,顔に水がかかるのが一番嫌だったようで,髪を洗うことと顔を洗うことは最後まで嫌がり困ったことがあります。

 

わたしの家では下記の方法で克服しました。今ではなかなかお風呂からあがってくれなくて困っているくらいです。

 

髪を洗うのを嫌がるときは

シャンプーハットを使って高いところからシャワーをかけて「雨だ~」「その帽子,雨に濡れなくて素敵ねー」などと遊んでいるうちに髪を洗います。

 

または,『床屋さんごっこ』と称して子供を膝の上に仰向けに寝かせ,顔にお湯がかからないようにシャワーをかけて,「痒いところはございませんかー?」などと話しかけながらシャンプーしたりもしました。(正確には『美容院ごっこ』ですよね!)

 

それでも嫌がったときは最初に髪を洗うことを諦め,体だけ洗って湯船に浸かり,水遊びをしてから最後に髪を洗ったりもしました。毛穴も開くのでこちらの方が効率的かもしれません。

 

湯船に浸かるのを嫌がる場合の対処法

溶けるとおもちゃの出てくるバスバブルや,今までに出てきたバスバブルのおもちゃを大量投入して誘います。水風船を作ったり,しゃぼん玉で遊んだりするのも効果的です。

 

ただし,しゃぼん玉は湯気が多すぎるとあまり飛びませんので,お風呂の窓やドアを開けるなどの工夫が必要です。湯船で抱っこしたり,下からお子さんを支えて浮かばせたりなどのスキンシップも良いですし,一緒に数字を数えたり,ひらがなを一緒に読み上げたりもしました。

 

顔を洗うのを嫌がる場合の対処法

何かおもちゃを持たせて気を逸らしたり,湯船に入っているとき顔に水をつけて息を止める練習(手のひらで水をすくい,そこに顔をつけてもらいます)をしたりします。

 

水泳のゴーグルを付けてシャワーをかけたりして遊びながら顔を洗ったりもしました。それでも泣いてしまうこともありますが,その時は必至で笑わせます。

親子で入浴はいつ卒業?

親子で入浴はいつ卒業か

「子供のお風呂はパパの役目」というご家庭は意外と多いのではないでしょうか。仕事で忙しく子どもと話す機会の少ないパパにとっても,お風呂は子どもと触れ合うことのできる貴重な時間だったりするかと思います。

 

ですが,いつまでも一緒にお風呂に入れる,というわけではなく,お子さんの成長に伴っていつかは別々に入るようになります。

 

特にパパと娘,ママと息子といった異性の親子間では気になりますよね。ではそれはいったいいつ,どういった理由で起こるのか調べてみました。

 

某新聞社が行ったアンケートによると、ママと息子の入浴は「小学校低学年まで」がトップで、「小学校高学年まで」「小学校前まで」と続く結果でした。

いっぽうパパと娘は「小学校高学年まで」がトップで、「小学校低学年まで」「19歳以降も」「中学校まで」という結果でした。

 

では,海外ではどうでしょうか?

ある記事によると,欧米ではお風呂場はプライバシーが守られるべき場所という意識が強いので,早ければ一人でシャワーを浴びることがきる5歳くらいで親子入浴を卒業してしまうようです。

 

また,異性の親子での入浴はもっと早く終わるようです。

 

あるママの話によると、

「わが家ではいつも家族でシャワーを浴びていましたが,娘が2歳に達した時に男女の体つきの違いを指摘して質問してきたことに夫が不快感を覚え,その後は母娘の二人で入浴しています」

「私は息子が2歳くらいの時に一緒に入浴することをやめました。シャワーが洗い流すのは汚れではなく私たちの体つきの違いだったからです」など,お子さんが男女の違いを認識する2歳くらいで終わりにしてしまうようです。

 

欧米はほとんどシャワーしかしませんが,日本では「湯船につかる」という独特の文化を持っていますので,5歳といえども小さいお子さんを一人でお風呂に入らせると,溺れてしまうんじゃないか何となく不安になりますよね。

まとめ

いかがでしたか?

子どもと毎日一緒に入浴することができるのは,一生のうちでも限られた期間しかありません。子どもが成長して大人になっても,同性であれば旅行で一緒に入ることもあるでしょう。ですが異性の親子となると本当に僅かな時間しかありません。

 

その僅かな時間だからこそ,子どもの頃にパパやママとお風呂に入った記憶というのは,大人になった今なお良い思い出として残っている人も多いのではないでしょうか。

 

冒頭でもお話ししたとおり,親子での入浴はコミュニケーションが深まる大切な場所です。そこで「遊ぶ」「話す」「学ぶ」の3つを意識すれば,その密度は濃くなります。

 

その日一日の出来事や,保育園や学校での出来事や流行りのものについて,勉強の話,さらには恋愛話や悩み事を聞いたりなど,ぜひ心身ともにリラックスした状態で触れ合いながらコミュニケーションを深めていってください。