子供のマスクで注意したい3つのポイントと上手な選び方

風邪やインフルエンザ、花粉症の時期などは特に、マスクは必需品でとても重宝されます。新型コロナの世界的な感染の影響もあり、現在では多くの会社でマスクを販売するようになりました。

 

子供は、風邪をひくことにより自己免疫をつけ丈夫になるものですが、親心としては、なるべく重い風邪や感染症などには掛からず、健やかに育ってほしいと願うものですよね。

 

現在、子供のマスク着用については意見が分かれ、通っている幼稚園や保育園、小学校などそれぞれの機関で対応も異なり、子供にマスクは必要なのか、どのようなマスクを選べばいいのかと気になっている親御さんも多いと思います。

 

この記事では、マスクの効果や子供に使用させる時に注意したいポイントに触れながら、マスクの上手な選び方についてご紹介していきます。

 

マスクの目的と適切な使い方

マスクは正しい使い方をすることで、風邪やインフルエンザなどの感染症に対して高い効果があります。まずはマスクを使用する目的と得られる効果、子供の年齢による適切な使い方についてご説明します。

ウイルス飛散の防止

本来マスクは、風邪などの感染症にかかった時に周りにウイルスが飛散するのを防ぐためのものであり、医療従事者が使用する医療用マスクを除き、ウイルスなどを100%予防できるものではありません。

 

マスクの着用は、汚れた手が顔や口元に触れてしまうリスクを軽減してくれるので、感染要因を減らす役割の1つとは言えますが、感染症を予防する目的としての効果は限定的とされています。

 

風邪やインフルエンザの場合は、くしゃみでは200万個、咳では約10万個のウイルスが1度に放出されると言われています。

 

マスクは、風邪などの影響で咳やくしゃみなどの症状がある場合、周りにウイルスを飛散させるのを防止する意味で高い効果を発揮します。

 

子供の年齢による着用の必要性

子供は、年齢や成長段階によってマスクを着用した方が良い場合とそうでない場合があります。

 

世界保健機関(WHO)が2020年8月に発表した指針によると、12歳以上の子供は大人と同じようにマスクを着用して良いが、6歳から11歳の子供はマスクを着用した場合、安全な取り扱い方ができない可能性があるため、注意する必要があるとしています。

 

子供の場合、呼吸器官が未発達であることと、適切でない使用方法による窒息などの危険性から、子供の年齢によっては、大人が側で管理できる場合にのみ使用させるのが好ましいです。

 

子供のマスク着用時に注意したいポイント

ここからは、子供にマスクをつけさせる時にどんなところに気をつける必要があるか、注意したいポイントについてご説明していきます。

身体への負担

子供は身体が小さく地面からの照り返しを受けやすいことに加え、平熱が大人よりも高いです。

 

呼吸が体温調節の役割を果たしていますが、マスクをつけることで身体に熱がこもり体温が上がってしまい、熱中症や脱水症状のリスクが高くなる可能性があります。

 

また、胸郭が未発達のため、マスクを着用することで呼吸への負担が増し、体力を消耗しやすい傾向にあります。

 

このことから、子供の場合は感染症予防のために常時使用させるのではなく、咳やくしゃみなどの症状が出ている時など必要性がある場合に、マスクを上手く活用するのが良いとされています。

 

感染リスク増加の可能性

普段からマスクの扱いに慣れていない子供は、動いているうちにずれてしまったり、無意識に触れてしまうことがあるので、適切にマスクを使用することが難しいという問題があります。

 

国の感染症対策に関わる、沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は「子供の場合、マスクが気になって顔をさわる頻度が増え、感染リスクが高まる可能性もある」と注意を呼びかけています。

 

マスクを着用するかどうかは子供の成長段階によって判断し、うがい、手洗い、良質な睡眠や食事など、基本的な風邪予防の対策を日頃から心がけましょう。

 

2歳未満の子供にはつけない

2歳未満の乳幼児は、感じていることを上手に大人に伝えることができません。自分で上手くマスクを扱うこともできないので、窒息や熱中症の危険があります。

 

またマスクをつけることで、顔色や表情から子供の体調の変化を見つけにくいことも懸念されています。

 

乳幼児の呼吸器は空気の通り道が細く、マスクは呼吸器や心臓の負担になる可能性もあるので、2歳以下の乳幼児には着用させないよう注意しましょう。

 

日本小児科医会でも、2歳未満の子供にマスクは着用させないよう2020年の5月に指針を発表し注意を呼びかけています。

 

上手なマスク選びのポイント3つ

大人とは違い身体のつくりがまだ未熟な子供は、年齢や子供の成長に合わせたマスクの利用が大切です。

 

子供の場合、安全面への配慮から、特別な必要性がない場合は無理につけさせる必要はありませんが、通っている幼稚園や保育園、小学校などの方針や花粉症対策など、必要になる場面も多々あります。

 

では、どのようなマスクを選ぶのが最適かについて、3つのポイントをここからご紹介していきます。

不織布使い捨てマスク

不織布は繊維を絡み合わせてシート状に作られたもので、粒子捕集性や通気性に優れています。

 

不織布フィルターの目の細かさにより、ウイルスのカット率は異なりますが、一般的にガーゼマスクより目が細かく、何より使い捨てを前提に作られているので衛生的です。

 

使用後のマスクは、多くのウイルスや菌などが付着しているので、使用後に洗う必要がなく衛生的に使用できる不織布の使い捨てマスクは、とても機能的で誰でも安全に利用することが可能です。

 

医療現場で使用されている医療用サージカルマスクも不織布が使用されており、医療用のグレードまではいかなくても、フィルターの目が細かい商品であれば高い効果が期待できます。

 

子供の場合、唾液や鼻水などでマスク自体を汚してしまうこともよくあるので、効果や衛生面からみても不織布の使い捨てマスクは最適です。

 

立体マスク

運動量の多い子供にとってマスクは、息苦しく邪魔になりやすいので基本的に嫌がるものです。

 

そんな時は、呼吸がしやすいように、マスクと口の間に適度な空間ができるように作られている立体マスクを選んであげましょう。

 

また、立体マスクは、顔の形に合うよう立体型に作られているので、ノーズワイヤーが入っていなくても鼻から頬にかけてフィットしやすいようにできています。

 

遊んでいる間に、ワイヤーや樹脂が飛び出して顔に刺さってしまうなどの思わぬ事故を防ぐ点からも、ノーズワイヤーがなくても顔にフィットしやすい立体マスクは安心です。

 

商品によっては、口周りに空間ができるよう立体部分がドーム型になっていたり、呼吸がしやすいように通気ルートを設けた優しい作りの商品も販売しているので、不快感を訴える子供にはとてもおすすめです。

 

子供の顔に合うサイズ感

サイズが合っていないと隙間ができてしまい、マスクの効果を十分に得ることができません。

 

子供の顔は、まだ鼻も低くて丸いので、大人用のマスクではサイズが合いません。また、必要以上に顔を覆って、視界を塞いでしまうのでとても危険です。

 

大人サイズのマスクで代用せず、必ず子供用に作られた専用のものを使用しましょう。

 

子供用マスクの中でも、幼児用、ジュニア用など様々なサイズが販売されており、形やサイズも豊富なので、子供の成長に合わせて選ぶのが良いでしょう。

 

顔に合うマスクのサイズを簡単に測ることもできるので、1度お子さんのサイズを測ってあげると、更に正しく快適にマスクを着用することが可能です。

 

まとめ

ここまで、子供にマスクを着用させる際のポイントや、どんなマスクを選ぶのが最適なのかについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

 

他人への飛沫防止や、花粉症の対策、また昨今では各教育機関や公共施設などの方針から、マスクが必要になる場面も多くあります。

 

子供はまだ身体が成長途中であるため、マスクは負担になりやすく、大人よりも息苦しさや暑さを感じやすくなっています。

 

マスクを着用している時は、子供に息苦しさや体調の変化がないか特に注意し、適宜外してあげるなど、無理のない範囲でマスクを使用するようにして下さい。

 

日頃から子供とコミュニケーションを取って気持ちに寄り添い、必要がある場合に快適なマスクを着用させ、賢く感染症や花粉症の流行シーズンを乗り切りましょう。