子供の歯並びと虫歯の関係は?菌の繁殖を防ぐための3つの予防策
子供の歯並びが悪いと、この先矯正が必要なのか心配になります。
乳歯の虫歯が歯並びに深く関係しているということを皆さんはご存じでしたか?乳歯だから平気と虫歯を放っておくと、歯並びに影響を及ぼしてしまうこともあります。
できることなら歯医者さんに通うくらいの悪い虫歯になる前に、しっかり予防して虫歯を未然に防ぎたいですよね。
この記事では、乳歯の虫歯が与える影響と乳児期の歯磨きのポイント、虫歯を防ぐ3つの予防策をご紹介します。
目次
乳歯の虫歯が与える影響
乳歯が虫歯になっているけどもうすぐ生え変わるからそのままでいいと思って放っていたりしませんか?
乳歯の虫歯は、放っておくとその後の歯並びに大きな悪影響を及ぼします。
歯並びを悪くする可能性がある
乳歯には、永久歯のためのスペースを確保し生えてくる方向を導く役割があります。
乳歯の虫歯を放置して早く歯が抜けてしまった場合、その無くなった歯の両隣の歯が失われた空間に向かって寄ってきてしまうので、永久歯の生え方が悪くなり歯並びが悪くなってしまいます。
また、乳歯の虫歯を抜歯しなくてはいけないくらい放っておいても同じことが起こります。抜歯した歯の隣の歯が寄ってしまい、永久歯に影響を及ぼします。
乳歯の時に虫歯を治療せずに根元に膿が溜まった状態で放置してしまうと、永久歯はその膿の部分を避けて生えてくるのでこの状況でもまた歯並びに悪影響が出てきてしまいます。
永久歯も虫歯になりやすくなる
乳歯の根っこまで膿が溜まった状態になると、乳歯の下で生えるのを待っている永久歯までもが虫歯の原因をもともと持ったまま生えてきてしまいます。
また、口の中に虫歯菌が多い状態で永久歯が生えてくると、生え始めでエナメル質が未熟で弱い状態の永久歯が早くも虫歯菌に侵されてしまうという事態が発生します。
乳歯の虫歯を放っておくと、せっかく永久歯が生えてきてもすぐ虫歯に侵されるリスクがある状態になってしまうのです。
顎の成長をさまたげてしまう
虫歯になって歯が痛くなることで、子供は顎の成長に大事な噛むという行為をしなくなってしまいます。
痛くて噛みづらいことでよく噛まずに食べ物を飲み込むという癖がついてしまうという訳です。
顎の成長には食べ物をしっかり噛むことが重要で、しっかり噛んで食べることで顎の骨は丈夫で太くなります。この顎の骨の成長を妨げるということも、歯並びを悪くなる原因になります。
普段からしっかり噛んで食べることをしていない子どもは筋肉や骨が十分成長することができず、顎の骨が小さくなってしまいます。顎が小さくなることで狭いスペースに大きな歯を押し込めることになるので、デコボコの歯並びになりやすいと言われています。
乳児期の歯磨きのポイント
上記項目で、乳歯を虫歯にしないことが歯並びを良くするためには重要だと分かったかと思います。しかし、乳歯はやわらかく酸に弱いためとても虫歯になりやすいです。
虫歯にならないためにまず必要なのはしっかり歯を磨くこと。次に紹介するのは、乳児期の歯磨きのポイントです。
歯が生え始めたら歯磨きをする
乳歯が生え始める生後6ヵ月頃から赤ちゃん用の歯ブラシを使ってしっかり歯磨きを行いましょう。なんでも口に入れたがる年齢なので、歯ブラシも遊び感覚で口に入れてくれます。
ただし、歩き始めたら歯ブラシを持ったまま歩いたり動いたりしないよう気を付けてあげなければいけません。
自分で歯ブラシを持って磨くという行為まではまだ難しいかもしれませんが、ご飯を食べたら歯を磨く習慣をつけるためにも、自分で歯ブラシを持たせてみましょう。
仕上げ磨きをする
子供用の歯ブラシを持たせても、当たり前ですがちゃんと綺麗に磨くことはまだまだ難しい年齢の子供には、ママやパパの仕上げ磨きが必要です。
仕上げ磨きは以下の手順で行います。
- 上唇を持ち上げて前歯を磨く
- 人差し指で頬をふくらませて奥歯を磨く
膝の上に寝かせて、上下左右しっかり磨いてあげましょう。歯磨きを嫌がる子も多いですが、最低1日1回はしっかり仕上げ磨きをしてあげる癖をつけましょう。
正しい歯磨きを癖づける
乳歯が全て生えそろって全身の発育も進む3歳頃には、自分で歯磨きができるよう習慣として癖づけてあげましょう。
歯ブラシの当て方や動かし方をしっかり教えてあげて、毎日食後に歯磨きをすることを習慣にすることが重要です。この時期に初めて歯医者さんに行って、歯ブラシ指導をしてもらうのもおすすめです。
ただし、この年齢になってもまだ奥歯の間のブラッシングは正確に行うことが難しいので、ママやパパが手伝ってあげて仕上げ磨きをすることは重要です。
- 歯と歯の間
- 歯の溝
- 歯と歯茎の間
特に虫歯になりやすいとされている場所はしっかり磨く必要があるので、自分で磨く時に特に気を付けることと、仕上げ磨きでもこの3つの場所を必ず確認して重点的に磨いてあげるようにしましょう。
虫歯を防ぐ3つの予防策
虫歯を防ぐために歯磨きをしっかりすることはもちろん重要ですが、そのほかにも虫歯にならないように気をつけるべき予防策があります。
ママやパパが予防策を把握することで、乳歯の虫歯を予防して歯並びの悪影響を防ぐことができます。次に紹介するのは、虫歯を防ぐ3つの予防策です。
砂糖に注意
虫歯の原因菌と言われるミュータンス菌は、砂糖を頻繁に摂取することで歯の表面にくっつきやすくなります。このミュータンス菌を取り除かずにいると、そのまま定着して虫歯になります。
ミュータンス菌に気を付けるためには、砂糖を摂取する量をコントロールすることと、砂糖を摂取した後に必ず表面の歯磨きをすることが重要です。
甘いものを食べると虫歯の危険が高まることを子供にちゃんと説明してあげて、毎日の仕上げ磨きをしっかりしてあげることで、砂糖を摂取した後のミュータンス菌をその都度除去することができます。
規則正しい食生活を心掛ける
食事は1日3食、おやつもだらだらと食べないのがポイントです。
食事の回数が多いと、虫歯に溶かされた歯を修復する脱灰と再石灰化のバランスが崩れてしまって歯に穴が空いてしまうこともあります。
さらに、何かを食べるときには飲み物も一緒に用意してあげる方が良いです。糖分の少ないお茶や牛乳などと一緒に食事をとるようにしましょう。
だらだらと食事をしないためには食事の時間は20分までなど、時間を決めてしまうのもおすすめです。特におやつの時間がだらだら食べになりやすいので、注意してあげてください。
歯医者でメンテナンスをする
歯医者では、普段見落としがちな磨き残しや歯磨きのコツを教えてもらえます。
虫歯になっていないのに歯医者に行くなんてと思うかもしれませんが、虫歯予防のために歯医者さんに通うことはとても大事です。
また、歯医者さんで行うフッ素塗付は、家庭用のフッ素歯磨き粉よりもフッ素濃度が濃い物を使用するため、定期的にフッ素塗付をしてもらうことで虫歯を予防することができます。
早い年齢からかかりつけの歯医者さんを見つけることで、子供の歯のことを相談できる相手ができるのもメリットになります。
まとめ
乳歯の虫歯は歯並びに大きく影響を与えるということや、虫歯の予防について紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?
自分で歯磨きを完璧にできない子供には、ママやパパの仕上げ磨きが必要です。親子のコミュニケーションを取る時間ともなる仕上げ磨きをしっかり行ってあげてくださいね。
また、食生活やおやつ時間のだらだら食べも見直して、子供の虫歯予防をしましょう。
歯並びが悪くなると将来的に矯正器具が必要になったりと、金銭的にも子供の体力的にも辛い未来となってまいます。乳歯のうちにしっかり虫歯予防をして、歯並びの心配を少しでも取り除いてあげましょうね。