おしゃぶりを使う理由は何?メリットデメリットから考える必要性について
赤ちゃんは指しゃぶりが大好き!
これは吸啜反射と呼ばれるもので、生まれながらにして生命を維持する為に持っている反射運動です。口のまわりに触れたものに吸い付く事で、赤ちゃんは安心感を得ます。
おしゃぶりは、そんな赤ちゃんの吸啜反射を利用して開発された育児グッズです。
とても便利な育児グッズとして多くのママが利用していると思いますが、実は使う事に対して賛否があるって知ってましたか?
この記事では、おしゃぶりを使うメリットとデメリット、そこから見えてくるおしゃぶりの効果と必要性についてご紹介していきます。
目次
おしゃぶりを使うメリット
赤ちゃんの気持ちを和ませる効果があるおしゃぶり。まずは、具体的にどのようなメリットがあるのかを以下の項目でご紹介していきます。
気持ちを安定させる
おしゃぶりは赤ちゃんの気持ちを安定させます。
赤ちゃんは誕生前からママのお腹の中で指しゃぶりをしています。冒頭でも説明したように口に触れたものを無意識に吸う反射運動があり、これは母乳を吸うために本能的に備わっているものです。
口を使ってものを舐めたりしゃぶったりすることは本能的な行動であり、おしゃぶりは乳首の形や質感を再現しているものなので、口にいれることで赤ちゃんは本能的に気持ちを落ち着けることができるという訳です。
口を閉じる筋肉を鍛えられる
おしゃぶりを使う事で鼻呼吸をする習慣が身に付くと言われています。
日常生活や眠っている時に口を開けて呼吸することを口呼吸と言いますが、口呼吸はウイルスや花粉などを吸い込みやすいというデメリットがあります。
口呼吸をしてしまう主な原因は、口を閉じる筋肉が不足しているからです。
おしゃぶりを使うと口が塞がれ鼻で呼吸をするようになりますので、口を閉じる筋肉を鍛える効果が期待できます。鼻呼吸の練習ができるので、欧米ではおしゃぶりがポピュラーなアイテムとなっています。
育児負担の軽減
赤ちゃんが外に出た途端に泣き止まなくて困る、全く寝てくれなくて睡眠不足を確保することができない…これは全てのママが経験する悩みです。
ママが最もストレスを抱えるケースで活躍してくれる育児グッズが、おしゃぶりです。
赤ちゃんの気持ちを安定させ落ち着ける効果があるおしゃぶりには、赤ちゃんが泣き止んだり寝付いてくれるという効果があります。
乳児期の赤ちゃんを育てるママはとにかく重労働。何で泣いているのか分からなくて不安を感じることも多いでしょう。抱っこをしてあやす時間などを減らすおしゃぶりは、忙しいママの育児への負担を軽減してくれます。
おしゃぶりを使うデメリット
おしゃぶりの必要性を知るためにはメリットだけでなくデメリットも把握しておく必要があります。ここからは、おしゃぶりのデメリットをご紹介していきます。
コミュニケーションが不足する
赤ちゃんが泣いているのには必ず何かしらの理由があります。
お腹が空いているのかな?一人で寂しいのかな?どこかが痛いのかな?抱っこしてほしいのかな?赤ちゃんの表情を見ながら、ママは泣いている理由を模索していきます。
おしゃぶりは赤ちゃんの気持ちを落ち着かせて泣き止ませる効果がありますが、これはメリットになると同時に、赤ちゃんがなぜ泣いているのかをママが考えなくなるというデメリットにもなり得ます。
頭をナデナデしたり抱っこをしてあやしたり、赤ちゃんが泣いている時は裏を返せばパパとママがコミュニケーションを取れる時間であるとも言えますので、おしゃぶりを与えて静かにさせるというのは、このような機会を奪ってしまうということにもなります。
赤ちゃんが泣いたらすぐにおしゃぶりを与えて終わり…そういった習慣をつけるのではなく、赤ちゃんのことを考えながら適切なケースで与えるようにすると良いでしょう。
歯並びが悪くなる
乳幼児の頃から長期的におしゃぶりを使い続けていると、噛み合わせに悪影響が出て歯並びが悪くなります。
小児科医と小児歯科医から構成された『小児科と小児歯科の保険検討委員会』がまとめた資料によると、2歳児では指しゃぶりで出っ歯に、おしゃぶりを使い続けていた子は開咬(奥歯は噛み合っているのに前歯が噛み合っていない状態)が高頻度で確認されたと発表。5歳児ではこの傾向がさらに増大していると報告しています。
おしゃぶりを使用している子供は使用していない子供に比べると上顎前突、開咬および乳臼歯交叉咬合の発現率が極めて高いものの、おしゃぶりを止めると噛み合わせの異常は改善しやすいとされています。
後述しますが、おしゃぶりは必ず子育てに必要なものという訳ではありません。癖になってしまう場合もあり、そうなると噛み合わせや歯並びは悪化し続けます。この点は大きなデメリットであると言えますので、使う時は十分に注意するようにしましょう。
習慣化するとやめさせるのが大変
おしゃぶりへの依存度が高すぎると、やめさせるのがとても大変です。
卒乳と共に子供が勝手におしゃぶりを卒業するパターンもありますが、やめさせるのに苦労したという話も非常に多く、依存してしまうとおしゃぶりがないと眠れなくなってしまうという赤ちゃんまでいます。
噛み合わせの異常も2歳頃までにおしゃぶりの使用を中止すれば発育過程で改善されていくと言われています。いつかは辞めなければいけないものなので、このタイミングでおしゃぶりからの卒業を考えるのがベストであると言えるでしょう。
メリットとデメリットから考えるおしゃぶりの必要性
おしゃぶりを使うことによるメリットとデメリットは理解してもらえたでしょうか?利用に賛否がある理由もこれで納得してもらえたかと思います。
結局のところ、育児におしゃぶりは必要なのでしょうか。ここからは、おしゃぶりの必要性について以下の項目で考えていきましょう。
必須アイテムとは言えない
赤ちゃんが泣いている時や眠らない時、外出時にグズってしまった時などに便利なおしゃぶりはママにとっての便利アイテムであることは間違いありませんが、必須アイテムであるとは言えません。
もちろん泣いている赤ちゃんの気持ちを落ち着かせる効果は絶大です。泣いていたりグズっている赤ちゃんにおしゃぶりを与えれば、依存している子であればあるほど効果テキメンですぐに大人しくなるでしょう。
しかし、泣いている赤ちゃんにすぐにおしゃぶりを使うことはデメリットが多く、依存してしまうと離れることができなくなり、歯並びも悪くなります。これらのデメリットを考えると便利アイテムとして時々使うのは良いとしても、常用するのはNGであると言えます。
便利アイテムとして活用するための方法として、以下のような限定的なケースで使うことをおすすめします。
- 電車や公共機関
- 外出時
- どうしても眠らない夜
このように、一時的でもいいから大人しくしていてほしいと思う時に限定的に利用することをおすすめします。自宅の中では極力使わず、赤ちゃんが泣き出したらなぜ泣いているのかを考え、コミュニケーションを取りながらあやしていくようにしましょう。
やめる年齢を明確に
おしゃぶりを使う時間はできるだけ短くするように努めるべきですが、それと同時に何歳になったら辞めさせるのかという点も事前に決めておくことをおすすめします。
奥歯が生え揃う2歳頃までにやめれば噛み合わせの異常は発育と共に改善していきますので、このタイミングでおしゃぶりをやめるのがおすすめ。3歳になってもおしゃぶりを使い続けていると噛み合わせが悪くなるだけでなく、依存してしまうので後になって辞めさせるのがとても大変です。
突然やめると子供も不安になりますので、おしゃぶりを常用している方も1歳を過ぎたあたりから少しずつ使う回数を減らすようにしていくとスムーズにやめることができます。やめる準備を早くからしておくということも念頭に置くようにしておきましょうね。
まとめ
赤ちゃんにおしゃぶりを与えることで得られるメリットとデメリット、そこから見えてくる必要性についてご紹介してきましたが参考になりましたか?
子供が泣き止むから、眠ってくれるから、落ち着いてくれるから…そういった単純な理由でおしゃぶりを常用するのはやめ、おしゃぶりの必要性を理解しながら適切なケースで利用するようにしましょう。