子供の耳垢は耳鼻科でとるべき?正しい耳掃除の方法と注意点

子どもの耳を覗いたら巨大な耳垢が!

 

大人は耳垢が溜まっていたり耳が痒いなと思えば自分のタイミングで耳掃除をすればいいだけの話ですが、小さな子どもはそうはいきません。それに、子どもは耳掃除をする必要がないという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

 

この記事では、子どもの耳掃除の必要性や、正しい耳掃除の仕方などを注意点と共にご紹介していきます。子どもの耳掃除に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。

 

子どもに耳掃除が必要ないと言われる理由

結論から言うと、子どもに耳掃除は必要ありません

 

耳掃除をしなければ耳垢が溜まって不潔なのでは…そう考えている方も多いかと思いますが、基本的には子どもは耳掃除をしなくても大丈夫です。

 

その理由を、以下の項目で解説していきます。

 

押し出されて自然になくなる

耳に溜まった耳垢は、普通の生活を送っているだけで勝手に押し出されてなくなります。そもそも耳の中に溜まらない仕組みになっているため、耳掃除をする必要はないという訳です。

 

さらに、耳垢は不衛生で汚いからすぐに取り除いた方がいいという考えも間違い。耳垢には以下のような役割があります。

 

  • 殺菌効果
  • 虫やホコリなど外部からの侵入を防ぐ
  • 外耳道を保護する

 

子どもだけでなく大人も耳掃除のし過ぎは駄目だと言われています。

 

耳垢には上記のような役割がありますので、耳掃除をし過ぎて耳垢を綺麗さっぱり排除してしまっては役割を果たすことはできません。

 

耳垢は子どもの耳を守る上で重要な役割を果たすものなので、無理して耳掃除をする必要はないという訳です。

 

耳の中を傷つける危険性がある

大人よりも繊細な子どもの体は、耳掃除により耳の中を傷つけてしまう危険性が極めて高いです。

 

そもそも大人も勘違いしていることが多いのですが、耳の中が痒い理由は耳垢があるからではなく、耳掃除をした時に耳の中を傷つけてしまってできた炎症が原因です。

 

大人でも綿棒などを耳の奥にいれることで簡単に炎症を起こしてしまいます。これを子どもに置き換えれば、どうなるかは火を見るよりも明らかですよね。

 

耳垢が溜まっているからと言って定期的に耳掃除をしてしまい、結果的に耳の中に炎症がたくさんできてしまっては元も子もありません。

 

耳の中を傷つける可能性が高い耳掃除は、絶対に行ってはいけません。

 

子どもの耳掃除をする時の正しい方法と注意点

上記項目で子どもに耳掃除は必要ないと説明してきましたが、絶対にしてはいけないという訳ではありません。

 

明らかに耳垢が溜まっていて耳が聞こえにくくなっているときなどは、耳垢を排除するための耳掃除が必要です。

 

ここからは、子どもの耳掃除をするときの正しい方法と注意点をご紹介していきます。

 

絶対に奥まで掃除をしない

子どもの耳掃除で最も気をつけなければいけない点は、綿棒を奥までいれて掃除をしないようにするということです。

 

耳垢は基本的には耳の入口から1cm位の位置にしか存在していないため、奥まで耳掃除をする必要性がありません。奥まで綿棒をいれて掃除をしてしまうと耳の中を傷つけるリスクがあるだけでなく、手前にあった耳垢を耳の奥に押し込んでしまう可能性もあります。

 

そこで気をつけなければいけない疾患は、以下の2種類です。

 

  • 耳垢塞栓
  • 外耳炎

 

子どもの耳掃除を奥までしてしまい耳垢を押し込んでしまうと、外耳道を塞いで炎症を起こしてしまう耳垢塞栓を発症する危険性があります。

 

奥まで耳掃除をして傷つけてしまうと、汚い水などが入り込んだ時に耳垢が細菌感染を起こす外耳炎を発症するリスクもあります。

 

子どもだけでなく大人も同様ですが、耳掃除の際は手前にある耳垢を掃除するということだけを意識し、奥まで綿棒を入れないようにして下さい。

 

安全な場所で親が耳掃除をする

小さな子どもであれば必ず親が耳掃除をすると思いますが、ある程度の大きさになった子どもであっても、必ず耳掃除は親が行うようにして下さい

 

大人が思っている以上に子どもの耳の中は繊細なので、少し奥にいれただけでも傷つけてしまう恐れがあります。大人であっても難しい部分でもありますので、子どもに耳掃除を任せてみようとは考えず、親が見える範囲の耳垢を取るだけにしましょう。

 

また、必ず耳掃除は自宅の安全な場所で行って下さい。何かにぶつかった拍子に綿棒が子どもの耳の奥まで入ってしまったら大変です。

 

必ず安全な場所で、パパやママが目に見える部分の耳垢を優しく取り除くということを意識して下さい。

 

子どもの耳掃除で困ったら耳鼻科へ

耳鼻科で耳掃除をしてもらえることを、皆さんは知っていましたか?

 

子どもに限らず大人も、耳鼻科に行けば耳垢を吸い取ってもらうことができます。大人に比べて耳掃除が大変な子どもの耳垢は、耳鼻科に通って取り除いてもらうことをおすすめします。

 

ここからは、子どもの耳垢を耳鼻科でとってもらうメリットなどについてご紹介していきたいと思います。

 

耳を傷つけない安心除去

子どもの耳垢を耳鼻科でとってもらう最大のメリットは、耳の中を傷つけるリスクを負わずに安心して綺麗に耳垢を除去できるという点にあります。

 

自宅では綿棒などを使い子どもの耳を肉眼で見ながら親が耳掃除を行うと思いますが、耳鼻科の場合は鼓膜内視鏡を使い、ピンセットや吸引管を使って耳垢を吸い取ります。

 

耳の奥に溜まってしまって取れない頑固な耳垢であっても、耳垢水を使ってふやかしてから除去してくれますので、綺麗に清掃が可能。

 

さらに耳掃除だけでなく同時に中耳炎などの耳の病気にかかっていないかどうかの検査もしてくれますので、その点でも大きな安心感があります。

 

耳のトラブル診療なので保険適応

耳の病気でもないのに耳掃除だけで耳鼻科に行くなんて…

 

そんな風に考えているママやパパは多いのではないでしょうか?しかし、この点は安心してもらって構いません。子どもの耳掃除のためだけに、定期的に耳鼻科に通っているという方はとても多いです。という訳で耳鼻科の先生も、耳掃除のためだけに来ないでほしいなんてことは一切考えていません。

 

耳鼻科で行う耳掃除は耳のトラブルなので保険適応内となりますので、料金に関する悩みは考えなくても大丈夫です。

 

定期的に通う頻度としては、子どもは耳垢が溜まりやすいので月に1回くらいを目安にすることをおすすめします。月1回必ず通うということを決めなくても、耳の中を時々チェックしてみて気になったら行くという程度でも大丈夫です。

 

耳掃除だけでなく耳の病気をチェックする検査も兼ねていますので、小さいお子さんがいる方は定期的に耳鼻科に通うようにして下さいね。

 

まとめ

子どもの耳垢を無理してとる必要がない理由と、耳垢を取らなければならないケース、子どもの耳垢を耳鼻科で綺麗にしてもらうことをおすすめする理由についてご紹介してきましたが、参考になりましたか?

 

上記でも説明しましたが、耳垢は必ずしも悪いものではありません。子どもの耳を守る大切な役割を果たすものですし、耳垢は耳の奥に溜まらない仕組みになっていますので放っておけばなくなります。

 

しかし、それでも子どもによっては耳垢が多くなりすぎてしまい、耳の奥に蓄積して音や声が聞こえにくくなってしまうというケースもあります。

 

そういった場合も無理して自分で綺麗にしようとするのではなく、地域の耳鼻科に行き、安心安全な方法で綺麗にしてもらいましょう。

 

子どもが安心して通えるかかりつけの耳鼻科は、必ず確保しておきましょう。定期的に通っていれば耳の病気の早期発見にも繋がりますので、子どもの耳垢は定期的に耳鼻科で綺麗にしてあげることをおすすめします。