予防接種は赤ちゃんになぜ必要?発熱する理由や対処法・注意点を解説
大切な赤ちゃんが元気に大きくなるために大切なのが、予防接種。
小さな赤ちゃんが注射をして泣いているのはかわいそうに見えるかもしれませんが、病気を防ぐためにも予防接種はきちんと受ける必要があります。
ですが、予防接種を受けた後には発熱することもあり、お母さんにとっては不安もありますよね。
この記事では、予防接種はなぜ必要なのか、受けた後の発熱について、理由や発熱する子の割合、発熱したときの対処法や注意点などについてご紹介していきます。
予防接種についての知識や、もしも発熱してしまったときの対処法を知っていれば、すばやく適切な対処ができ、安心して予防接種を受けさせることができますよ。
目次
予防接種って?
赤ちゃんと一緒の生活にも慣れてくる生後2ヶ月頃になると、予防接種を受けることができるようになります。
人間は、感染症にかかると体の中で抗体が作られます。そして、また新たに病原体が侵入してきたときには病原体を攻撃し、病気にかかりにくくします。これが、体の「免疫」の仕組みです。
予防接種はこの免疫の仕組みを利用したもので、毒性を弱めた病原体を予防接種によって投与し、あらかじめ病原体に対する免疫を作ることで、病気を予防します。
予防接種はなぜ必要?
予防接種にはさまざまな種類があり、3歳頃まではたくさんの予防接種を受ける必要があるため、お母さんとしては何かと大変なことも多いですよね。
赤ちゃんはお腹の中にいるときに、お母さんからさまざまな病気に対する免疫を受け継ぎますが、成長していくにつれて失われてしまう免疫もあります。
そのため、病気にかからないよう、予防接種を受ける必要があります。
予防接種は打つことで病気を防ぐことができるだけでなく、もしも病気にかかってしまった場合でもその症状が重症化せずに済み、重篤な後遺症が残るリスクを減らすことができるなど、赤ちゃんの元気な成長をサポートしてくれるものです。
さまざまな病気を防ぐことができる
予防接種で防げる病気をVPD(Vaccine Preventable Diseases)といい、日本語では「ワクチンで防げる病気」という意味になります。
- 結核
- はしか(麻しん)
- 風しん
- 水疱瘡(みずぼうそう)
- 日本脳炎
- A型肝炎
- B型肝炎
- ロタウイルス感染症(胃腸炎)
- ヒブ感染症
- ジフテリア
- 肺炎球菌感染症
- ヒトパピローマウイルス感染症
- 髄膜炎菌感染症
- 破傷風(はしょうふう)
- 百日咳
- ポリオ
- 結核
- おたふくかぜ
- インフルエンザ
- 狂犬病
- 黄熱病
上記は、どれも予防接種によって防ぐことができる病気です。これらの病気は子供がかかりやすく、健康や命にかかわることもあります。
予防接種スケジュールはかかりつけの先生に相談を
ご紹介の通り、予防接種にはたくさんの種類があります。
いつでも好きに受けることができるわけではなく、予防接種によっても受けられる時期などが異なるため、予防接種スケジュールを立てるときはかかりつけの先生に相談するようにしましょう。
赤ちゃんや小さな子供は急に体調を崩してしまうこともあり、そうなるとスケジュールの予定通りに接種できないこともあります。
かかりつけの先生がいれば、そんなときも力強くサポートしてくれるでしょう。
下記は予防接種スケジュールを立てるときのポイントです。ぜひ参考にしてみてください。
- 接種できる時期になったら早めに予防接種を受ける
- 接種可能な月齢や年齢、接種間隔、接種回数はワクチンによって異なる
- 住んでいる場所の自治体によって、個別接種か集団接種かなど、接種方法が異なる
- 個別接種は親御さんが医療機関を決めて予約する必要がある
- 任意接種の場合でも、自治体によっては助成金の給付を受けられる
予防接種の発熱について
ここからは予防接種の中でも生後3ヶ月から受けることができる「四種混合」を接種した場合の発熱について、ご紹介していきます。
四種混合は「ジフテリア」「ポリオ」「百日咳」「破傷風」という、かかると重篤な症状を引き起こすこともある病気を予防するためのワクチンです。
発熱するのはなぜ?
予防接種の後で発熱してしまうのは、下記の2つの理由からです。
体の免疫反応
予防接種を受けた後は一時的にウイルス・菌に感染した状態となるため、体の免疫反応が起こり、発熱することがあります。
ワクチンによる副反応
ワクチンは作り方によって3つの種類があり「生ワクチン」「不活化ワクチン」「トキソイド」があります。
四種混合は病原体の毒素をなくした不活化ワクチンで、接種後24時間以内は副反応として発熱がみられることがあります。
また、副反応には発熱のほかにも下記のようなものがあります。
- 注射部位の腫れ、赤み、しこり
- 咳
- 鼻水
- 下痢
- 食欲がなくなる
- 機嫌が悪くなる など
発熱する割合
四種混合の場合、予防接種を受けたことによる副反応で発熱する赤ちゃんは全体の1%ほどだとされています。
発熱するのはいつ?
予防接種を受けるとき、気になるのが「熱を出すとしたら、いつ?」ということですよね。
これには個人差があるものの、四種混合を受けてから30分〜1週間のうちは副反応が出ることがあります。
副反応の一つである発熱が見られるのは接種当日〜翌日で、発熱した場合でも1日ほどで熱が下がるとされています。
熱があっても予防接種を受けられる?
37.5度以上の熱がある場合は、予防接種は受けることができません。
咳や鼻水などほかの症状が見られず、微熱程度で本人が元気であれば熱があっても予防接種を受けることができますが、かかりつけの先生に診察してもらってから判断するのが安心です。
予防接種で発熱した時の対処法
大人に比べて平熱が高い子供は、発熱すると38度以上の熱が出ることもあります。
37.5度以上なら様子見を
子供は平熱が37度前後と高く、発熱の目安は37.5度以上とされています。
予防接種を受けた後、赤ちゃんに37.5度以上の熱があれば熱が出ているということになりますが、授乳ができており、元気でいつもと変わらない様子であれば心配いらないことがほとんどです。
病院を受診した方がいいケース
赤ちゃんがいつもと変わらず元気なようであれば心配はいらないことが多いですが、病院を受診した方がいいケースもあります。
- ぐったりしている
- 食欲もなく水分が摂れていない
- 鼻水や咳などの症状がある
- 嘔吐
- 下痢
- 高熱
- けいれん
- 意識が朦朧としている
- 発熱が24時間以上続く
上記のような異常な症状が現れた場合は、すぐにかかりつけの先生に相談し、病院を受診しましょう。
予防接種で発熱した時の注意点
もしも発熱したら、下記のようなことに注意して過ごすようにしましょう。
脱水にならないようにする
脱水症状を起こしてしまうと大変です。熱が出ると体の中の水分が奪われてしまうため、水分補給にはいつも以上に気をつかう必要があります。
嫌がったとしてもなるべく水分を摂ってくれるよう、工夫してみましょう。
お風呂には入れない
大人にとっては疲れが取れてリラックスできるお風呂も、赤ちゃんはかなり体力を消耗します。
熱が出ているということは、体の中で免疫とウイルスが戦っているということです。予防接種後に熱がある場合にはお風呂には入れず、体力を消耗させないようにしましょう。
まとめ
親御さんにとって、赤ちゃんの予防接種は大変でもあり、不安もありますよね。
予防接種は受けることによって、たくさんの怖い病気を防ぐことができる・重症化を避けられる・後遺症が残るリスクを下げられるなど、数多くのメリットがあります。
しかし、発熱を始めとした副反応が起きることもあるため、予防接種を受ける前にかかりつけの先生と相談し、副反応などについてもしっかり理解・納得したうえで受けることが大切です。